昨年12月17日、多摩湖フィッシングエリアで開催した第11回3Dプリンターで作ったルアー限定の釣り大会の際に参加者の方から頂いたルアーで気になる物があったのでご紹介!
ロボおじミノー?
ロボティクスおじさん、略してロボおじ。アカチさん。
が、作ったミノーで「ロボおじミノー」と、とりあえず呼んでいます。
素朴ながらロボティクスおじさんらしい工夫の凝らされたルアーを作る方という印象だったのですが、この大会に作ってきてらっしゃったこのミノーがなんとも良い仕上がりで、こりゃぁ紹介せねば!とこの記事を書いています。
ロボおじミノーここがすごい!
中に綿
見た目で最も特徴的なのがコレ。中に綿が詰められています。
これによって独特の色表現がされています。
中に詰める綿と、ボディ外側に従来通りの塗装をする事でより多彩な表現も可能。
個人的には白綿にパール塗装や、バイトマーカー的に差し色がある物だったりが欲しい。
挿し目
次に注目して欲しいのがここ「挿し目」。
私も挿し目を採用したルアーを作った事はあるのですが、単に見た目の為に採用しただけになってしまっていました。
ロボおじミノーの挿し目は、プリント後のレジン抜きと、綿を詰める穴を兼ねているそうで、この挿し目ひとつにいくつもの意味、機能があります。すごい。
ラインアイとフックハンガー
ラインアイとフックハンガーが特殊。
既製品のルアーの多くはエイト環と呼ばれるステンレス線が八の字に成形された物が採用されています。3Dプリンターやバルサウッドでルアーの自作を楽しむ人も多くはエイト環やクローズドヒートンを使っていると思います。
ロボおじミノーでは手芸用品の金属部品が採用されているのですが、これもまた合理的な理由と機能があります。
先ず、薄さ。スナップとルアーの接点がルアーアクションの支点となる場合、この点は小さければ小さいほどルアーアクションのキレは良くなります。
この金属部品、大変薄く他の物では実現出来ない接点の小ささが得られています。
重心設計
通常、この手のルアーを作る際には鉛等の金属球を内蔵する事で重心設計をするのですが、このルアーには金属球は内蔵されていません。
どのようにしてルアーの重心を設計しているかというと、前述したラインアイとフックハンガーの金属部品の取り付け向きを違い違いにし、ボディからの抜け止めとして差し込んだ金属棒の太さに差を作る事で重心を設計しています。コレほんと凄い。
ロボおじルアーまとめ
ひとまず、まとめ。
このルアーは「HMKL ZAGGER50F1を採寸して参考にして作ったよ。」と言ってましたが、そもそもでZAGGER50F1って全く同じ形状にしてもまともにアクションしないルアーになる事が多いです。
なので、そもそもこのサイズ感のフローティングミノーをこのレベルで作る事自体が簡単ではありません。すごい。
ZAGGER50F1と比較。
ここまででご紹介したように、ロボおじミノーは他にはない特徴を多く持っており、単純なZAGGER50F1コピーのフローティングミノーではありません。
なので、同カテゴリーのルアーとしてZAGGER50F1と比較してみましょう。
横から
ボディ形状はロボおじミノーの方が少し大きめ。
リップの角度と長さはおぼ同じ。
ラインアイの位置に少し差がありそうです。
ロボおじミノーの機能面での最大の特徴であるリップに集中した重心は、先述した取り付け金具のみではなく、リップ裏側に設けられた取り付け部とリップ補強のリブによる樹脂容量の集中からも得られています。また、フックハンガー側にも細いながら取り付け金具が差し込まれている為、前後での重心分配がされており、これもアクションに寄与する事が予想されます。
上から
ボディ幅はロボおじミノーの方が少しだけ太め。
特にテール側の絞りが浅いようです。
リップはロボおじミノーの方が幅が狭く、最も幅の広い位置についてもボディ寄り。
リップ上に取り付けられたラインアイは深く埋め込まれている事からリップに掘り込みがされています。スナップの脱着をし易い事だけではなく、支点がリップ面に近くなる事からアクションの安定性に寄与していると思われます。
前から
上からの比較とほぼ同じですが、少し見易い箇所もあるかも?の、前から。
ボディ幅やリップ形状の違い、挿し目の張り出しが見易い気がします。
アクション
これがロボおじミノー pic.twitter.com/5zHtoWtMud
— 八重樫 剛 (@tkc_exp) January 4, 2023
HMKL ZAGGER 50F1
高い浮力によるキビキビとしたショートピッチなウォブリングに、静止時に進行方向逆側に向かって浮上するキックバックが特徴。
ロボおじミノー
ヌルりとしたウォブリングに少しロールも入る。
ZAGGER50F1のようなキックバックはなく、ゆったりと浮上。
アクションの安定感があるので早巻きにも対応する。
まとめ
ZAGGER50F1と比較しましたが、予想以上にキャラクターの異なるルアーでした。
リトリーブのアクションの良さや、ゆったりとした浮上は使えるシーンが多そうです。
また、60〜65mmぐらいにサイズアップして大物狙いに使うのも楽しそう。
作者のロボおじことアカチさんはSNS余りやらないので、このルアーが気になる方は「3Dプリンターで作ったルアー限定の釣り大会」会場にお越し下さい!
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